建て売り住宅でよくある間取りが無難な理由

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建て売り住宅でよくある間取りが無難な理由

注文住宅を選ぶ人はこだわりがあります。自分や家族の夢、また趣味のために特別な部屋や設備を取り入れた間取りにしたいと思うのです。

 

 

ですから、出来上がってきた間取り図を見て無難な建売住宅のような間取りだと物足りなく感じてしまうケースがたくさんあります。しかし、一般的な間取りにはそれなりのメリットが有ります。では、まず建売住宅の間取りはどうして似てしまうのかを考えてみましょう。

 

 

 

建売住宅の間取りが無難な理由

 

建売住宅というのはハウスメーカーの商品ですから売れなければ話になりません。それで、どんな家族でも使いやすいように、住みやすいように設計されています。自分の家族が便利に思うような間取りではないかもしれませんが、多くの家族が不便を感じないような間取りになっているのです。

 

 

ですから、似たような間取りがどうしても多くなってしまいます。またプロの設計士や大工さんは口をそろえて、自分の家を建てるなら無難な間取りを選ぶといいます。なぜなら、住んだあとの使い勝手や維持を考えると一般的な間取が一番理にかなっているからだそうです。

 

 

他にはないアイデアや、変わった形の部屋、通常の位置とは違う場所に設置された収納スペースなどは、ほとんどの場合に使いにくかったり、時間が経つと使わなくなったりするものなのです。

 

 

例えば、大手のハウスメーカーは今までに家を買った方たちからたくさんの意見やクレームを受けてきています。
こうだったらよかったのに、というような意見の蓄積があり、それを新しい商品開発にどんどんと活かしています。一つの例として、建売住宅の間取りでバルコニーは十分な奥行きをきちんと確保するようにしています。

 

 

奥行きが狭くても横幅がながければ面積としてはある程度のスペースを確保しているように数字的には思えますが、実際に使ってみると、布団は干せても、洗濯物は干せない、またその逆も起きる、つまり使い勝手がとても悪いということが分かったのです。

 

 

布団を干した後でも、洗濯物を干す作業を主婦がストレスなく行うにはバルコニーの奥行きは必ず確保しなければならないということを学んだのです。結果として、このハウスメーカーのバルコニーの奥行きはほぼ1.5メートルになっています。

 

 

このように、建売住宅の間取りは多くの家族のこうだったらいいのにという小さな注文がいくつも反映されているので、実際に住んでみると生活しやすいものなのです。

 

 

建売住宅ではしない間取り

 

注文住宅ではよく見られるものの、建売住宅ではあまり見られない間取りというものがあります。その理由は、その間取りが無難ではないから、つまり実は生活しづらいからというものです。

 

 

例えば、中庭です。中庭は、道路や近所からの視線がなく、プライベートな空間を作り出すことができるのでとても人気な間取りです。しかし、中庭を作ろうとすると、家の作りをコの字にしなければならず、家の構造が複雑になってしまいます。

 

 

建築の時にコストのかかる壁の角の補強が、正方形や長方形の単純な建売の家よりも多く必要になります。中庭実現のための補強費としてプラス80万円から120万円はコストがかかってしまうのです。

 

 

さらに、この中庭はどうしても、日当たりが悪くなりますので、植物が育ちにくかったり、夏以外の季節は寒かったりして意外に使わなくなります。さらに、吹き抜けも建売住宅の間取りではあまり見られません。これにも理由があります。

 

 

家の内部に吹き抜けを作ると、そこに当然のこととして壁紙を貼ります。すると、天井から太陽が直接当たる部分の壁紙の劣化は早くなり、数年後には変色がひどくなったり剥がれたりします。

 

 

交換する必要が出てきますが、吹き抜けで高い位置の交換となるために、足場を設置しなければなりません。通常の部屋の壁紙交換であれば必要のない足場なので、当然コストは上がります。

 

 

さらに、吹き抜けがあることによって家の中の空気の循環はとても良くなり、夏は涼しいのですが、冬は寒くなります。せっかくストーブやエアコンを使って家を暖めるのですが、暖かい空気が全て、吹き抜けを通して上に上がっていってしまいます。ですから光熱費がかさんでしまうのです。

 

 

これらの実例の蓄積があるので、建売住宅はこのような間取りをあまり採用していません。しかし、維持費や使用感などを考えるとその決定は正しいといえるかもしれません。

 

 

注文住宅ならではのメリット

 

それでも、建売の間取りがいつでもベストであるというわけではありません。建売住宅の間取りは、一般的な家族が一般的なサイズや量の家具を置いたケースを想定して、ドアの位置、収納棚の位置、コンセントの位置などを決めています。

 

 

ですから、自分の家が少し大きめの家具などを持っているなら、コンセントの位置が家具に隠れてしまうということがあります。また、奥さんの身長が少し小さかったりするならキッチンの収納が高過ぎるように感じたりすることもあります。

 

 

しかし、注文住宅であるならこれらの小さくても日常生活のストレスを増やす不具合をすべて解消することができます。自分の家族や家具にぴったりあった間取りを作ることができるのです。これは注文住宅ならではのメリットであるといえるでしょう。

 

 

さらに、前項で取り上げた中庭や吹き抜けをどうしても取り入れた間取りにしたいなら、上記のネガティブなポイントを伝えてどのようにしたらその点を克服した間取りになるのかを訪ねてみることもできるでしょう。建築士は必ず対応策やアイデアを提案してくれます。

 

 

建売住宅の間取りはよく考えられているものですから、そこに微調整を加えてゆくなら何年たっても住みやすい家を建てることができるでしょう。

 

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